MS52:ユニバーサルジョイントの交換

停車状態からのスタート時にブルブルと振動がでるようになった。
原因推定のため いろいろな運転を試してみると、
・時速30~40kmあたりで振動が出る。
・アクセルを踏んでいるときだけ出る。
・1速でも2速でも3速でも出る。

1気筒死んでいるような感じだけどエンジンが原因ではないようだ。

まあ、30km/hあたりだけなので乗り方でごまかせるなぁと思っていたら、だんだんひどくなってきて
30km/h以上でずっとブルブルするようになってきた。

そして、アクセルONの加速時だけでなく、エンジンブレーキの時にもブルブルするようになってきた。
惰性で走っているようなときは振動しないので、トルクが伝わっているときに振動するらしい。
軸トルクが変動しているようだ。

どうもオートマが悪いと思う。

オートマを直すか載せ換えるかになる。
ちょうどいいことに?、もともと付いていた3速オートマに耐え切れなくなってきていたので4速オートマへの載せ替えを計画していたところ。
一年前くらいから検討していて、すでに4速オートマも入手済み。
ついに計画を実行するときがきたらしい。

載せ換えるにはプロペラシャフトの延長加工とバランス取りが必要。
これは自分ではできないので原田ファクトリーに加工をお願いすることにします。

もともとの3速オートマはトヨグライドと呼ばれていたもので型式はA30型です。
載せ換える4速ミッションはA40D型と言うタイプで、MS110クラウンに搭載されていたものを入手しました。
電子制御ではない完全油圧式のオートマなので載せ換えることができればややこしい配線はいりません。

さて、4速オートマに載せ換えるにはペラシャフトのスプラインを組み替える必要があります。
A30とA40Dではスプラインの歯数が違います。
左がA40Dで右がA30。

幸いにもA40Dのスプライン部はトヨタ部品共販で入手可能で、
部品番号は 37302-20040 でした。

あと、どうせ組み替えるのでユニバーサルジョイントも新品にしたいところ。
プロペラシャフトのつなぎめでクネクネさせるための十字型のジョイントです。
これもトヨタから購入可能でした。ただし、部品番号は新しくなっていて、
スパイダキットユニバーサルジョイント 04371-22010 です。
どうやら86とかとも同じようです。

さて、ユニバーサルジョイントの交換は、
整備解説書やネットで調べるてみるとプレスや万力を使って圧入するようですが、
新宮サービスのベテラン整備士からハンマーのみで交換するという超実践的な方法を伝授してもらったので、今回はその方法を紹介します。

ユニバーサルジョイントの構造は 十字型の軸に円筒がはまっていて、軸と円筒の間にニードルベアリングが入っています。円筒はペラシャフト側の穴に圧入され、遠心力で飛び出ないようにスナップリングがはめてあります。

まず、円筒を穴から押し出す必要があります。普通は片方の円筒をプレスや万力で内側に押して、押した反対側の円筒を外側に押し出します。
じつは以前この方法を試しましたが、うまくいかずに結局むりやり抜いてしまいました。
それを見ていたベテラン整備士さんがハンマーで叩く方法を教えてくれました。

その方法は、ユニバーサルジョイントを手に持って、穴の回りの根元側(丈夫なところ)をハンマーで思いっきり叩きます。
そうすると穴側はハンマーの衝撃で動きますが、円筒は慣性でその場に残ろうとするので結果として円筒が外側に浮き上がってきます。
写真は叩くところを示しています。実際は手に持ってやります。

ある程度浮き上がったところで反対側を叩き、十字の軸を抜きます。
十字の”一”の字側がぬけたとすると、もう一方の”1”の字側は抜けたほうの軸をハンマーで叩いて円筒を抜いてしまいます。

あとは反対の手順で組み立てますが、
十字の軸を円筒に差し入れて押し付けながら円筒をハンマーで打ち込みます。
軸を差し入れておかないとニードルベアリングがバラバラになって再起不能になります。

あと、最後に入れるスナップリングが入りずらくなっている場合があります。
円筒を抜くときに叩きすぎて穴と穴の面の間隔が狭くなっているからです。
ハンマーで叩くときは思いっきり叩き数回の打撃で抜くほうが良いようです。
恐る恐るやって何回も叩くと面がゆがんでしまうとのこと。
不幸にしてそうなった場合は、円筒の部分を適当な当て物を介して万力ではさみ、穴の面を開くようにハンマーで叩きます。自分もそういう状態になって必死で叩きました。

一度コツをつかむと10分くらいで組めてしまいます。
が、ユニバーサルジョイントの交換はプロでも手間がかかるもののようです。
FR車が少なくなった現在ではあまりやらない整備のようです。
もっと簡単かつ確実な方法はガスで焼ききることだそうです。

まあ、なんとかプロペラシャフトは完成しました。

[[attached(5)]]

あとは延長加工だ!

主観的難易度:★★★★(ハンマーだけでできるとはいえ初心者には結構難しい。経験者にコツを教えてもらうしかない。)

P.S.2009/1/11
ブルブルの原因はプロペラシャフトのユニバーサルジョイントだった模様。
ミッション交換時にペラシャフトをみたら、ジョイントがガタガタでした。

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